お墓の歴史

お墓の歴史

「お墓の誕生の秘密」について考えるとき、実は宗教的な考え方とは少々の乖離があると言わざるを得ないものの、お墓の誕生がどうしても生活に密着している部分にどうやらありそうなことは、まず間違いようのないことのように思えます。
その意味では、お墓のルーツは、宗教学的見地というよりはむしろ、民俗学的見地に基づいて解明されるべき分野にたどりつくのかもしれません。
ところで、お墓が現在の形(石碑や墓碑、墓誌などが用いられる形)を成し始めたのがいつの頃のことであったかというと、実は、江戸時代の中ごろからであるという説が有力視されています。

 

 

これは、「お墓」というコンセプトが明確な対象物にしては、意外なほどその歴史が新しいという気がします。
ただ、近現代のように庶民がみなお墓を作って祀られるという考え方からはやはりおよそ遠かったというのは事実で、かつて「巨大な墓」であった「古墳」がそうだったように、石碑や墓碑、墓誌などが明確な形になって残された近現代様のお墓は、権力や経済力の象徴であったと言っても過言ではありませんでした。
しかし、お墓が「富」の象徴であるのは、実は現在でも同じことなのです。

 

というのも、現在のように、誰もが死後お墓に入るようになったのが、高度経済成長期からであるということからも、それは容易に想像できるからです。
その意味では、元来「お墓」が意味した「家系のシンボル」という意識は、現在ではやや希薄になってきているのも正直否めないと言うべきでしょう。